Snow Of Lieースノー・オブ・ライー


「ん、おはよ」



起き上がりながら、机の横に立つ彼の顔を見上げる。


笑ってるか、普通の顔をして立っているものだと思っていたのだけれど、違った。



「何でそんな顔してんの、亜樹」



困ったように、かつ、少し悲しげな顔をしながら、彼は私を見つめていた。


そして、そのまだ少し日の焼けた長く細い指が私の瞼を撫でる。



「目、腫れてる」



寝不足か?と尋ねる彼だけど、本当は知ってるくせに。


まあね、と返しながら俯く。


ストーブの傍に移った彼を追うように、私も席を立った。


< 4 / 16 >

この作品をシェア

pagetop