Snow Of Lieースノー・オブ・ライー
「ん、おはよ」
起き上がりながら、机の横に立つ彼の顔を見上げる。
笑ってるか、普通の顔をして立っているものだと思っていたのだけれど、違った。
「何でそんな顔してんの、亜樹」
困ったように、かつ、少し悲しげな顔をしながら、彼は私を見つめていた。
そして、そのまだ少し日の焼けた長く細い指が私の瞼を撫でる。
「目、腫れてる」
寝不足か?と尋ねる彼だけど、本当は知ってるくせに。
まあね、と返しながら俯く。
ストーブの傍に移った彼を追うように、私も席を立った。