Snow Of Lieースノー・オブ・ライー
悴んだ手を、温もりを立ち上げる場へとかざす。
・・・・・・私達、2人以外誰も居ない空間。
無言のまま、時が流れる。
「うおっ!?2人して何イチャイチャしてんだよ」
そんな空気を壊す、軽快な声が教室に響き渡った。
その声が耳に入った瞬間、自分の肩が大袈裟に跳ねる。
身体が強張るのを感じながら、静かに後ずさった。
「してねぇし!!
まず、おはようとかねぇのかよ、颯!!」
「あ、おはよー」
じゃれ合う2人を見ていられなくて、まだ時間は早いのに、私は慌てて教室を飛び出した。