ほんとのキミを、おしえてよ。


言いたいことだけ言いまくった私は圧倒されてる五十嵐くんから荷物をぶんどって腕に提げて、そのまま勢いよく走り出す。


「お、っわ……え、ちょ、中村さん!?」


五十嵐くんは驚いて立ちどまっている。


走り始めた……のはいいけど、私

五十嵐くんの家知らないじゃないか!!


それに気づいて急停止。


「五十嵐くん!家どこ!?」


バッと振り返って矢継ぎ早に聞く。


「いや、中村さん!待った待った!荷物重いだろ?持つからさ。

それと、妹は本当にもう元気なんだよ。午前中はこれでもかってくらい甘えさせてやったし。

これ以上甘やかすと普段からわがまま言うくせつくから。」


な、なんだあ。本当にもう元気なのね……

私はまた一人で突っ走ってしまったのか。
ああもう、なんて恥ずかしいやつなんだ!

これ私の悪い癖!


ここは、私の経験上

潔く謝るべし。

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