ほんとのキミを、おしえてよ。
「あ、有紗ちゃん。おはよう!」
今日も相変わらず天使様で、と言うよりも先に花那ちゃんの手をぎゅっと握る。
「へ?」
「花那様、あなたのおかげで私は道が開けたのです。
ありがたや〜ありがたや〜」
手を摩りながらカナエル様を崇める。
「へ?
私、何かしたかな?」
花那ちゃんは全く意味がわからない、という様に首をきょとんと傾げている。
まあ、なんの説明もなしに分かる方が怖いよね。
ごっほん、と咳払い一つ。
「漫画ですよ!漫画!『私が片思いしたのは裏あり王子様でした!』って題名の!
花那ちゃんの貸してくれたあの漫画おかげで、五十嵐くんの弱点が見つけられるかもしれないんだ」
Vサインを花那ちゃんに見せる。