ほんとのキミを、おしえてよ。


「へえ、なんでございやしょうか」


右手を頭にあててペコペコする。


いかんいかん。これじゃ江戸時代の商売人みたいじゃんか!

私が心の中で自己ツッコミしていると、


「有紗ちゃん。ここ、男子トイレだけどまだついてくる?」


ニヤニヤしながら聞いてくる晴仁くん。



はい、それはもちろん!私は五十嵐くんが行くところであればどこへ


ってあれ?


「男子トイレ!?」


「中村さん、気づいてなかったのか」


五十嵐くんの苦笑い。


目の前の獲物を見過ぎてどこに行くのかもわからなかった!


「なんでもありません!失礼致しました!」


ダッシュで帰ろう!

さすがの私でも男子トイレに入る勇気はございません。


「あ、廊下は走っちゃダメだよー」


あーやられた!


< 119 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop