ほんとのキミを、おしえてよ。
「俺だって疲れるんだよ。あんな常にニコニコできるわけないだろ?」
いつもより声は低くて冷たい。
降ってくるのは、温かみのない言葉。
「つーか誰だよ、俺のこと王子様とかいってファンクラブとか作ったやつ。マジ迷惑なんだけど」
ど、どうしよう。
なんか予想外……いや、予想してたんだけど、なんかこう、実際にこんなに五十嵐くんの裏の顔があったなんて。
どう反応していいかわかんない。
普段、ニコニコしてる裏ではそんなこと思ってたんだ。
女の子に優しいのも、優等生な五十嵐くんも、あの笑顔も全部、偽物だったのか。
「そういや、今日ミカちゃんに告られてたじゃん。あんなかわいい子断るとか本当もったいねーよなー」
ミカちゃん?
うちのクラスの子じゃないな。
まあ、晴仁くんがかわいいって言うならかなりかわいい子なんだろう。