ほんとのキミを、おしえてよ。
「いや、あーいうのは自分かわいいのわかってて、告ってきてるんだよ。そんな女に興味なんてねーから」
「マジかよ。
そこまで見抜くとはやー、さすが柊だわ。
お前が甘い言葉の一つや二つ言ったら女なんてすぐ落ちるよな」
いやな笑い声が教室内でこだまする。
みんな、五十嵐に今まで騙されてたんだ……
なんだろ、これ。
五十嵐くんってこんなに嫌な人だったの?
どうして、かな。
こういう結果期待してたはずなのに私、落ち込ちこんでるじゃん。
やっと探してた弱点知れて嬉しいはずなのに、なんかすごい悔しくってギリギリして、胸の中で渦巻いてズクズクする。
ズクズクって、なんかよくわからないけど。
こんなの、みんなに言いふらせばいいことなのに。
直接五十嵐くんと晴仁くんに文句言ってやりたいのに、なんでか私の手は教室のドアのところで固まったまま動かない。