ほんとのキミを、おしえてよ。



「あの、中村さん」


呆然と立ち尽くしていると、後ろから聞こえる私を呼ぶ声。


には、返事をせずにただイラっとする。

はあー。こんなときに話しかけないでよ。
なんか気分下がってるし、いろいろ立て込んで……


って、ん?

あれ?この声……


聞き覚えのある声に勢い良く振り返る。



え、ちょ、え?!


え、なんで!?


「五十嵐くん!!」


なんでそこに立ってるの?!

ど、あわう、無理!状況理解に苦しむ!


ハッ!これはまさか、幻影とか?


「五十嵐くん、本物!?」


ガシッと両肩を掴むと確かに実体はある。

あ、本物だ!!


「あ、はは。本物、だよ」


苦笑いを浮かべるのは紛れもなくいつもの五十嵐くんで。


< 125 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop