ほんとのキミを、おしえてよ。
じゃあ、今の教室から聞こえてるのはいったい何!?
教室のドアを勢い良く開く。
「やっほー有紗ちゃん。びっくりしたー?」
教室の中にいるのは楽しそうな晴仁君一人だけ。
教室の真ん中でヒラヒラと手を振っている。
眉間にしわをよせたまま、五十嵐くんと晴仁くんを交互に見る。
それぞれと目をジーーっと合わせる。
教室から聞こえた五十嵐くんと晴仁くんの悪口トーク。
でも実際に教室にいたのは晴仁くんだけ。
なにが、なにがいったいどうなってるの?
「中村さん、ごめんな。晴がやりたいって聞かなくてさ」
申し訳なさそうに眉を下げる五十嵐くんと
「だって有紗ちゃんが面白いことやってんだもん。
俺だって面白いことやりてーじゃん」
唇を尖らせて不満そうにする晴仁くん。
いや、話の意図が全く掴めないんですけど。