ほんとのキミを、おしえてよ。
私、基本的に会話には困ったことないんだけどな。
美羽ちゃんがなんで私に会いに来たかわからないことにはどうしようもない。
「あ、あの!中村さんっ」
「あ、はい」
わ、びっくりした。突然大きな声出してどうしたのさ。
目の前には美羽ちゃんの真剣な顔。
ゴクンを息を飲む。
「中村さんは、お兄ちゃんの五十嵐柊の彼女さんですか?」
「へ?」
あ、やばい。アホみたいな声出た。
いや、なんか拍子抜けだわ……
そうか、私が五十嵐くんとか。ちょっとばかし笑えてくるね。
「ど、どうなんでしょうか?」
まだ緊張した面持ちで見つめる美羽ちゃん。
そうだ、誤解解かねば。
「ごめんごめん、美羽ちゃん。
全然、五十嵐くんの彼女でもなんでもないよ?ただのクラスメイト。
心配させちゃってごめんね?」