ほんとのキミを、おしえてよ。


「有紗ちゃんは、お兄ちゃんのことちゃんとみてますね」


読むのを一旦中断して私と顔を合わせる。

美羽ちゃんは優しい笑顔を浮かべてる。


「へ?」


こんな適当なことしか書いてないのに、よく見てるなんて言ってもらっていいのだろうか。


「あの、有紗ちゃん」


私が自問自答をしていると今度は真剣な顔をする美羽ちゃん。


「ん?」


「お兄ちゃんのこと、お願いしますね」


律儀にぺこりと頭を下げられてしまう。


ええ!?


「ちょ、美羽ちゃん!顔あげて?」


な、なんでそんなこと言うの?

誤解させるようなことしてないよね?よね?


「あのね、美羽ちゃん。さっきも言ったんだけど、私五十嵐くんの彼女じゃないよ?」

< 145 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop