ほんとのキミを、おしえてよ。
「有紗ちゃんは、お兄ちゃんのことちゃんとみてますね」
読むのを一旦中断して私と顔を合わせる。
美羽ちゃんは優しい笑顔を浮かべてる。
「へ?」
こんな適当なことしか書いてないのに、よく見てるなんて言ってもらっていいのだろうか。
「あの、有紗ちゃん」
私が自問自答をしていると今度は真剣な顔をする美羽ちゃん。
「ん?」
「お兄ちゃんのこと、お願いしますね」
律儀にぺこりと頭を下げられてしまう。
ええ!?
「ちょ、美羽ちゃん!顔あげて?」
な、なんでそんなこと言うの?
誤解させるようなことしてないよね?よね?
「あのね、美羽ちゃん。さっきも言ったんだけど、私五十嵐くんの彼女じゃないよ?」