ほんとのキミを、おしえてよ。
花那ちゃんは泣くだけ泣いたのか、落ち着きを取り戻すと、晴仁くんのことを話してくれた。
話をまとめるとこんな感じ。
花那ちゃんの部屋と晴仁くんの部屋はベランダ越しに行き来できるらしいんだけど、昨日の放課後に晴仁くんの部屋には私たちの学校のものじゃない制服をきた女の子が居たらしい。
花那ちゃんは、晴仁くんのバイト先の人だと思うって言ってた。
二人で楽しそうに会話してる姿を見て、悲しくなった花那ちゃんは晴仁くんの部屋の窓が網戸になってることに気付いて、申し訳ないと思いながらもこっそりベランダに出て盗み聞きをしていてたらしい。
それで花那ちゃんが見たのが
「じゃあ、今週の日曜日。花那には内緒な」
ってイタズラっ子みたいに笑った晴仁くんだったらしい。
自分に内緒でデートの約束なんてされた花那ちゃんはショックすぎてしばらく動けなかったんだって。