ほんとのキミを、おしえてよ。
***
教室に戻ると朝読書なんてしている人はいなくて、教室はなんとなくがやがやとしている。
朝読書なんて名目だけだよね、意味なさすぎでしょ。
「中村さん」
なんて思っていたら後ろから声を掛けられる。
「あ、五十嵐くん。おはー」
「おはよう。
あのさ、花那と晴って、なんかあった?
今日さ晴と朝来たんだけど、花那が電話に出ないしLINEの返信も来ないって晴がかなり落ち込んでてさ」
え、晴仁くんが?
「晴仁くん、落ち込んでたの?」
晴仁くんが浮気してたんだったら、落ち込んだりしないよね?
「っていうか、花那も心なしか落ち込んで……あ、」
「ちょ、あーもう……」
花那ちゃんが男子に囲まれてるんだけど!
もしかして、早速別れたって噂が広まってるの!?それで、花那ちゃん狙いの輩が集まってきてるとか?
と、とりあえず五十嵐くんに説明しないとっ!