ほんとのキミを、おしえてよ。


「森山さん、ちょっといいかしら?」


教室を出て、中庭に向かおうとすると明らかに嫌な感じの雰囲気を漂わせて花那ちゃんを呼び出す5、6人の美女集団。

おそらく今回の噂を聞きつけて、花那ちゃんのことが気にくわないんだろう。


「な、んですか?」


「ちょっと話があるの。非常階段までついてきてくれる?」


花那ちゃんが明らかに怯えてる。


「花那ちゃん、ついてこうか?」


居た堪れなくて、花那ちゃんに声をかけても


「大丈夫だよ。ありがとう、有紗ちゃん」

力なく微笑まれるだけ。
いつものかわいい笑顔に輝きがない。


「じゃあ、ちょっと行ってくるね」


ふわふわと私に手を振って去って行く。
あんな花那ちゃん見て、放っておけるはずないじゃん。

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