ほんとのキミを、おしえてよ。
喉越し最高っ!
いやー、水って素晴らしいね。ありがとう、大地の水!
「あ〜、美味しい!生き返ったー!
ありがとっ、五十嵐くん。」
五十嵐くんに笑顔を向けてから、深々とお礼をする。
「あ、いや」
五十嵐くんが首に手を当てて視線を逸らす。
なんだかいつもと違うような……
私、なんかした?
「あ!」
そうだ!五十嵐くんのいつもと違う様子も気になるけど、
今はこうしちゃいられない!
「いこう!五十嵐くん!」
「え?どこ、っおわ」
五十嵐くんが言い終えるまえに、手を引いて走り出す。
向かう先はもちろん、
「花那ちゃんのとこ!」
人で賑わう廊下をかき分けて、全走力で進んで行く。
通る人みんなが振り返るけど気にしなーい気にしなーい。
「中村さーん」
「んー?なにー?」
五十嵐くんの声が後ろから聞こえる。