ほんとのキミを、おしえてよ。


五十嵐くんのこんな姿、はじめてみる。

そんなに後悔、してるんだろうか。


だったら五十嵐くんは、いったい何を後悔してるんだろう。

話してくれなきゃわからない。

今、五十嵐くんは何を思ってるんだろう。

それから、いつもより、自分の鼓動が早い気がするのは、なんでだろう。



教室からはなれたこの場所は私たち以外誰もいなくて。

ただ、この空間には沈黙が流れているだけで、お昼のポカポカとした陽気が私たちを包み込む。


いつもなら沈黙が苦手てで、騒ぎまくっている私。

けれど今は何も話さないこの沈黙が、不思議と嫌じゃない。


この場に流れる空気が、心地良い。


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