ほんとのキミを、おしえてよ。

「うーん、あ。それじゃあ柊が有紗ちゃんにキスすればいいんじゃん?」


一瞬迷った素振りを見せて、いいこと思いついた!っと顔を輝かせる晴仁くん。


は??

ちょいちょい待ち。どこをどうすればそんな考えに至るんだよ。

そんなの天下の五十嵐くんに失礼でしょうが!!



「何言ってんだよ!晴!!」


今まで黙っていた五十嵐くんがいきなり声を荒げた。

ほら、いくら温厚な五十嵐くんだって怒ってるじゃん!



「そんなの中村さんに失礼だろ!お前な、なんでも考えずに言うのやめろよ。冗談で済まされないからな」


いつもの優しい五十嵐くんはどこにいったのか、真剣な表情を晴仁くんに向けている。


あ、え、私?

もしかして五十嵐くん、私のために怒ってくれてる、のかな?

私に失礼だなんて、私はこれっぽっちも思ってなかったけど、そんな風に言ってくれる、ってなんか

私、幸せかも。

自然と頬が緩んでしまう。


こんな私でも女の子扱いしてくれるのは、きっと五十嵐くんの人柄の良さなんだろうな。
ほんと、どこまでも優しいなあ。


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