ほんとのキミを、おしえてよ。
「いや……お、俺着替えてくるな」
「あ、うん」
お互い目を逸らし、五十嵐くんが逃げるようにして部屋を出て行く。
ガチャリと扉がガッチリしまったことを確認してからふう、と一息つく。
その途端、顔の熱と胸の鼓動、再来。
長い溜息をつくといつもより熱を帯びている。
ほっぺに手を当てればやっぱりいつもより熱い。
「なに、これ」
まさか、風邪でも引いたわけじゃあるまいし。
第一、ここ三年丸まる風邪なんてひいてない。
だったらなんで……
今の私の状態はいったいなんて言うんだよ。
「もうっ、なにこれー!」
一人で叫んだところで答えが返ってくるわけじゃなくて。
ああもう、今日の私変だよ。
感情がこんがらがって、わけわかんないし!
なんか色々おかしいし、もう、もう!
「こんなんで勉強なんか出来るかー!」
机に一人、突っ伏した。