ほんとのキミを、おしえてよ。

忘れ物を取りに行きましょう。




「よし、こんなもんでいいだろ」


五十嵐くんの合図でみんな一気に力が抜けたように伸びをする。


今日は勉強会3日目。

うちの学校は週5日制だから金曜日から昨日今日と続けて朝はやくから夜遅くまでつきっきりで五十嵐くんに勉強を見てもらってるってわけだ。


五十嵐くんの部屋に連続三日間で通っていたせいで最早気分は第二の我が家、と言っても過言ではないほど五十嵐くんの家に詳しくなった。


絆創膏のある場所もお菓子ボックスの場所も完璧。


「いやー、今日1日頑張った!」


現在時刻は午後七時。

朝の九時集合ってことを考えると今日一日は頑張ったって言っても嘘じゃない。


ぐいーっと腕を伸ばして首を一周グルリと回す。


「えー、有紗ちゃんはしょっちゅう菓子食ってたよな?」


せっかくいい気分になっているのに晴仁くんが台無しにしてくる。


「そーいう、晴仁くんこそ隙あらばゲームにて伸ばしてたよね?」

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