ほんとのキミを、おしえてよ。
ん?あれ?
ない。
ない、ないない。
ない!!鍵がない!
ポケット、カバンの中全部どこを探してみてもない!
家の鍵がない!
なんてこった!
も、もしかして五十嵐くんの家に忘れてきた……?
慌てて時計を見れば午後八時現在。
五十嵐くん家はご飯時かな……うーん、迷惑かもしれない。
でも!
私あれがないと家に入れないし。
一晩野宿することと迷惑をかけることを天秤にかける。
うん。よし、決めた!
五十嵐くん如来様、ごめんなさい!
迷いを振り切り、迷惑承知で来た道を超特急で五十嵐くんの家へと走り出す。
そして後から気づいたんだけど私は自転車で行くべきだったよね。徒歩じゃどんなに急いだところで自転車の倍近く時間かかるよ。
まああまりに焦りすぎてそんな考えもよぎらなかったんだけどさ。