ほんとのキミを、おしえてよ。


「今日うちに来た時点では鍵あったんだよな?」


「うん。家出るときに鍵閉め……」


閉めたから。そう言おうとして階段途中で立ち止まる。

あれ、今日って私……


「あああ!!!」


五十嵐くんがギョッとしたように振り返る。

今日の朝の私を思い出して、私の顔から血の気がひいていく。

そうだ、私今日は!今日は。


「鍵、持って来てない、……だから五十嵐くんの家にあるわけないんです!本当ごめんなさい!」


ここが階段じゃなければ本気で土下座したい!

勝手にここにあると勘違いして焦って押しかけて探させて!なんで迷惑なやつなんだ。


「ん、持って来てない?」


ああもう本当申し訳ない……

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