ほんとのキミを、おしえてよ。
「あ、いや。その……公園はさすがにまずいから、その中村さんが良ければなんだけど、その」
五十嵐くんにしては珍しく歯切れの悪い言い方だ。
お風呂上がりで熱を帯びた手のひら伝わってくる五十嵐くんの体温。
身体中がその部分を中心にしてじわじわと熱されていく。
「うちに泊まっていかない?」
「え?」
突然、後ろから聞こえてきた五十嵐くんよりワンオクターブ程高い柔らかな声。
「ってお兄ちゃんは言いたかったんだと思うよ!」
視線を向ければニコニコと何とも可愛らしく笑ってる美羽ちゃん。
ピンク色のモコモコの服が似合いすぎている。
おそらくこれが部屋着なんだろうけどあまりの可愛さに到底部屋着には思えない。
「勉強会も兼ねて、ね!
有紗ちゃんはお兄ちゃんと夜遅くまで勉強して、寝る時になったら私の部屋で寝ればいいんだよっ!どう素敵じゃない?」
ここ三日間で勉強教えていただいてる上に泊まりとなると、
「さすがにそれは迷惑じゃ……」
「お兄ちゃんっ、いいよね?」
美羽ちゃんは五十嵐くんに向けて跳ねるようなキラキラ笑顔を浮かべてる。
「いや、いいっていうか……中村さんさえ良ければの話しなんだけど」
「じゃ、決定!やったー!ね、有紗ちゃんとお泊まり会しよ」
美羽ちゃんは私の両手を掴んでぶんぶん上下に振る。