ほんとのキミを、おしえてよ。
なんて思いながらゆっくりと階段に足をかける。
こんなことしているとテストのことなんて忘れちゃいそうだけど、明日からテストなんだよね。
私が今五十嵐くんの家にいるの、すごく違和感あるし夢なんじゃないかとか疑うけど。
いや、でも明日からテストだしこれも現実なんだよね、多分。
階段を登りきった目の前の青文字で" SHU's ROOM "と書かれたドアを開く。
お風呂上がりにはちょっと暑いくらい、暖房が効いた乾いた空気に包まれる。
「あ、中村さん」
五十嵐くんが私に気づいて床の上に座って勉強していた手を一度止めた。
目尻が下がって優しい瞳に、いつもと違う少しの違和感……と思ったら
「あ、五十嵐くん、メガネかけてる!」
青縁メガネのインテリイケメンに早変わり!ってわけね。
さすがだ、どんなアイテムも着けこなせる五十嵐くん。
これでブロマイド売ったら1枚千円はかたいな。
だってファンクラブの人々が殺到するところが容易に想像できるもん。