ほんとのキミを、おしえてよ。
あれ、私今日ノート持ってきたっけ?
なんか無いような〜と思いながら探していると、
五十嵐くんがあっ、と何かに気づいたように小さく口を開いた。
「あのさ、その服ってもしかして……」
あ、そうだ言い忘れてた。
「あこれ、五十嵐くんの昔のジャージらしくて……ごめんやっぱ嫌、だった?」
最初は美羽ちゃんが自分の服を貸してくれようとしたんだけどさすがにサイズ感が違くて諦めざるをえなかった。
で、五十嵐くんの現在の服じゃぶかぶかだし無理があるってことになって、美羽ちゃんと相談した結果、最終的に五十嵐くんの中学生の頃の服ってことで落ち着いた。
そう。私と美羽ちゃんの間では確かに落ち着いたんだけど、当の本人である五十嵐くんには全く許可を取っていないわけで……
もし私に貸したくなんてなかったとかだったらどうしよう。
如来様の五十嵐くんのことだし、お前にやる服なんてないとかは絶対言わないと思うけど、それでも嫌だったらこの服はお返ししないとだよね。