ほんとのキミを、おしえてよ。


って、あれ、そういえば当の本人、五十嵐くんは?

ここ、五十嵐くんの部屋だよね?


あれ?起きてから一度も見かけてないよね!?



さっき一通り部屋の中見たはずなのに!

誰もいない!!


うわどうしよう、これって絶対私がここで寝ちゃったせいだよね。

絶対気を使ってくれちゃったパターンだよね?

五十嵐くんの部屋なのに五十嵐くんを追い出すなんて図々しいにもほどがある。

とりあえず、五十嵐くんに謝らないと。


探しにいかなきゃ!
リビングにいるかな?


出来る限りドアをそろりと開けて足音を立てないように廊下に出る。


____ギシ


ひいいい!!

静かに!shut up !シャラップ!!
廊下よ、五十嵐家の皆さん起こしちゃうから!


ゆっくりゆっくり一歩ずつ確実に降りていく。頼むから軋んだ音出さないでくれよ。

無駄に肩に力が入って息苦しくなってきた。


忍び込んだ泥棒並みの緊張感を持ちながらも、なんとか階段を下りきった。

ふうーと、かいてもいない汗をぬぐってみてからリビングのドアを開く。

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