ほんとのキミを、おしえてよ。
なんて自問自答を繰り返していたら、リビングのドアが音を立てて開いた。
「あれ、有紗ちゃんだったのー?早起きだねーふああ」
そこから眠そうな美羽ちゃんの姿が現れた。
「あ、美羽ちゃんおはよ。ごめん、起こしちゃった?」
「ううん。大丈夫」
にこりといつもの優しい笑顔を見せてくれる。
ああ、朝からから超絶かわいい。生まれたての小動物って感じ。
そんな美羽ちゃんは私の視線に気づいたのか、大きなくりっとした目を二回瞬きしてから小さく「あっ」と落とした。
なにか、知ってる感じ?
「ねえ、美羽ちゃん。これなんで花瓶じゃなくて空き瓶なの?」
あっと、呟いた口を一度手で塞いでから言いにくそうに口を紡ぐ。
「えっと、それは……お兄ちゃんが」
モゴモゴと口を動かして視線が泳ぐ。
でも今、お兄ちゃんがって言ったよね?