ほんとのキミを、おしえてよ。


てことは……!


五十嵐くんと二人きりってことではないか!!


「や、そんな気遣わなくていいよ。それで、中村さんは今日……平気?」


どうしよう、五十嵐くんの目が見られない。

今ならまだ『そういえば私も予定あったんだった』って誤魔化すこと、出来るかもしれない。


二人きりになって気まずい思いしなくていいかもしれない。


でも私……五十嵐くんにうそ、つきたくない。


「私は暇だよ、ばっちし空いてます!」


私が言うといつものように爽やか笑顔の五十嵐くん。


なんでかな。変だな、私。
気まずくなるのいやなのに、二人きりってちょっと楽しかもって思ってる私もいるんだ。

なんだこの矛盾。

いろんな私がいて、よくわからなくなる。


でも……少なくとも今はただ、ため息ついてたさっきとよりも断然気分が良い。


だから今は、それだけで良いかな。

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