ほんとのキミを、おしえてよ。


***


放課後。


学校で待ち合わせをするとファンクラブ過激派に見つかって大変なことになるから待ち合わせは学校近くのショッピングモール入り口になった。


そういえば五十嵐くんはファンクラブの存在を認めているのか?

なんてことを頭の中でディベートしてたらいつの間にか着いていた。


五十嵐くんはー?っと、あ!いたいた。


王子様、どの角度でもイケメンだ
___有紗、突然の心の俳句。


「ごめんね五十嵐くん待った?」


「いや、俺が若干早く来てただけ。本当、今日はありがとな」


五十嵐くんが、目を合わせて優しく微笑む。


「いえいえ、これくらいお安い御用ですよ。このところ五十嵐くんにはお世話になりっぱなしだったし」


自動ドアを潜って歩き始める。


「あ、そういえば洋菓子セットありがとな。母さんも父さんも甘党だから喜んでた」


あ、あれか。
泊まったときにお世話なったから、こないだ私のお母さんが五十嵐くん家に行ってくれたらみたいなんだよね。

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