ほんとのキミを、おしえてよ。


「あはっ!やっぱり、柊だ!久しぶりっ、全然変わってな〜い!」


振り返ると、そこにはなんともかわいらしい女の子が、彼氏と思われる男子と腕を絡ませこっちを見てる。


くるくると巻かれた髪を可愛くアレンジしてて、メイクも程よくされててふんわりかわいくてうさぎみたい。


この制服だと私立の西高か!

お金持ちだ……!


そんな子が私たちに基、五十嵐くんに向けて満面の笑みを浮かべてる。


「……亜美、久しぶり」


その子とは対照的に五十嵐くんは余り楽しそうな顔をしていない。

誰、だろう。っていうかやっぱり……


「あれ?なんだ〜柊、その子彼女?やっぱり柊はモテるね〜」


亜美、さんと呼ばれた方が、今度は私の方を見てにっこり笑う。

っていうか、訂正しなきゃ。


「いや、あの私は」


「でもね、彼女だったら気をつけた方がいいよ〜?」


一泊置いて


「柊って案外何もないから」

美人の笑顔ほど綺麗で怖いものはないと思う。
表面的には友好的な笑顔、でもなんか……目が、笑ってない。

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