ほんとのキミを、おしえてよ。


***



家に帰って部屋にこもり、ベッドにうつ伏せになった。

なんとかしたい、その思いでいっぱいなのに。

花那ちゃんみたいに恋人がいるわけでもない。真紀みたいにファンクラブに入っているわけでもない。


そんな私に一体何が出来るっていうんだろう。


どうしたら後悔を、亜美さんのこと吹っ切れるんだろう。


はあーと深くため息をつき、顔を右側にずらすとベット壁との隙間に何かを見つけた。


手を滑り込ませて拾ってみる。

んー、なんだろ?本?教科書?


「っと、」


引っ張り上げる。


って、これ。

『王子様の弱点ノート』じゃん!

しばらく見かけないと思ってたら、こんなところにあったんだ。

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