ほんとのキミを、おしえてよ。


他にもたくさん、私が1つ1つ見つけてきたことなの。


もうノートも残りの余白も少ない。

こないだの勉強会での見つけた五十嵐くんのことも本当は書き足したい。

たとえば視力が悪い、とか……そんな何気無いことだって。


私の知ってる五十嵐くんで、このノートの余白を埋めたい。


でも、そんなのよりもっとこのノートを締めるにはぴったりのこと、知ってる。

だってこのノートは王子様の『弱点』ノート、なんだよ。


五十嵐くんの弱点、後悔してること。

最後に書くのにこれ以上のこと、ない。


ペンを持つ。
新しいページのまっさらな紙に黒いインクで汚す。


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元カノ、亜美さんが五十嵐くんの最大の弱点

私立の西高に通っている。中3のときに


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そこまで書いて私の動きが止まる。

ノートに、書かなきゃいけないのに。

なのに、なのに


___ポタ、ポタ


書きたく、ないな。

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