ほんとのキミを、おしえてよ。

そう思うと、なぜだか涙がノートにシミを作っていく。目から溢れ落ちる。

水性ペンで書いたせいで文字が滲んで読めなくなる。

抑えても拭っても涙は止まるところを知らない。



あーあ。いや、だな。

亜美さんのこと、書きたく、ないなあ。



亜美さんとのことは明らかに今までで最大の、五十嵐くんの弱点だ。

そんなことはわかってる。


だけど……どうしても


私が知ってる五十嵐くんのことたくさん書いたノートに、亜美さんのこと書きたくないって思っちゃうんだもん。


何これわけわかんない。


涙が出てくる理由だって。


ただ弱点知りたいだけなら、書けるのになんで。


なんで、そんな風に……

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