ほんとのキミを、おしえてよ。


____ポロン


突然、携帯の受信音が鳴った。


おもむろに手に取るとると画面には『花那ちゃん』の文字。

あ、花那ちゃんから……か。

ティッシュを取って鼻をかんでから、パスコードを打ち込んで開く。


と、その画面から目に飛び込んでくる、一番上にある文字。


『他のキーワード
目が合わせられない 好きな人』


そうだ、さっきgoogleで検索かけたまま慌てて閉じたの忘れてたからからだ、

と妙に冷静だったのは一瞬だけで。


そんなのすぐに崩壊する。



ああ、ああ。

やっぱり、だ。


さっきよりもより一層ぐにゃりと視界が歪んで潤む。


「っひ、く、うあ」


なんで見ても目をこすっても消えない、『好きな人』の文字。

知らないふりしてた、だけだった。

気づかないふり、だった。

本当は、わかってたんだ。

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