ほんとのキミを、おしえてよ。
だって私、目が合わせられない人って五十嵐くんだけだもん。
一緒にいて体温が上がったり息が詰まったり鼓動が早まるの、五十嵐くんだけだなんだもん。
五十嵐くんが私に言った言葉も、向けた表情もどうしたって忘れられないんだもん。
亜美さんのこと聞いた時に感じた胸の痛みは、気のせいなんかじゃなくて多分、嫉妬だったんだ。
ノートを一瞥する。
五十嵐くんは弱点なんて霞むくらい魅力に溢れてる。
知れば知るほど五十嵐くんに落とされてはまって抜け出せなくなった。
弱点を探していたはずが、いつの間にか見つけていたのは……
誰にでも優しいところ。
勉強熱心で真面目なところ。
努力家なところ。
人情深いところ。
友達思いなところ。
家族思いなところ。
影口も悪口言わないところ。
何でも自分で解決しようとするところ。
自分の感情抑えすぎるところ。
意外にも強情なところ。
責任感が強いところ。
ここ数ヶ月で見つけたのは長所も短所含めた、たくさんの五十嵐くんだった。