ほんとのキミを、おしえてよ。
それでも、息が苦しい胸が痛い。
叫んだ後みたいに、喉も痛い。
なのに胸が、焼かれたように熱い。
私の身体がおかしくなって壊れそう。
こんな感覚知らないよ。
枕に顔を押し付けて涙を止めようとするのに、なんで全然止まってくれないの?
目の前に置いた、ノートを睨んだ。
こんなの王子様の弱点ノートなんかじゃない。
書かれてるのは五十嵐くんの好きになったところばかり。
こんなノート作らなければ、五十嵐くんのこと好きにならなかったかもしれないのに。
こんな気持ちにならなかったかもしれないのに。
八つ当たり気味にぐちゃぐちゃになった顔を拭いて、いつもより重たいまぶたを思いっきり押し上げる。
ねえ、五十嵐くん。
ノート破って捨てたら、君への気持ちも一緒に捨てられる?
なんて意識とともにそっと、ノートを手にかけた。