ほんとのキミを、おしえてよ。


「有紗ちゃん、いつも心の底から楽しそうに笑うのに今日は変だもん。無理して笑ってるの、私知ってるもん。ねえ有紗ちゃん、私ってそんなに頼りないかな」


声がどんどん潤んで震えてる。

ああ、私のせいで大好きな花那ちゃんをこんな表情にさせてしまった。

違う、違うんだ。花那ちゃんが頼りないわけないよ。


今日一日言わなかったのはそんなんじゃないの。


「ごめんね、花那ちゃん。言って心配させたくなかった。言っても仕方ないかなって思ってた」


でも、結果的には話さなかったせいで花那ちゃんをこんな涙目にさせてしまった。


ああもう、花那ちゃんの声聞いてたら私まで声が震える。


私、今日一日ずっと無理してたんだ。


作り笑いなんて、苦手なことするから結局上手くいかなくて余計心配かけちゃった。


だって何かしてないと、笑う努力してないと勝手に涙が出て来そうだったから。

作り笑いくらいしか涙止める方法、思い浮かばなかった。


もう、何が悲しいとかもよくわからないけど心の中がぐちゃぐちゃなんだよ。

五十嵐くんと亜美さんのこととか私の気持ちとか。

考えるだけで頭が割れそうになって、キャパ越えするんだよ。

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