ほんとのキミを、おしえてよ。
目が充血してたのは、泣いたからだけじゃない。一晩中、出口のない迷路の中をさまよってたからだ。
迷って悩んで結局、わからなかった。
「っていうかもう、何がなんだかわからないんだ……」
ダメだ、このままだと声だけじゃなくて本当に涙が……
思いっきり上を向いて必死に食い止める。
「ねえ有紗ちゃん。私と初めて会った時のこと覚えてる?」
と花那ちゃんが私に向かってにっこり笑顔を浮かべてる。
突然の言葉に思わず、涙が引っ込む。
「え、」
確か、クラス違ったけど出会ったのは高1だったよね?
そんな前のことは……
「覚えてるに決まってるじゃんっ」
あの時の花那ちゃん忘れるなんて、私が記憶喪失にならない限りはあり得ないね!