ほんとのキミを、おしえてよ。


目が充血してたのは、泣いたからだけじゃない。一晩中、出口のない迷路の中をさまよってたからだ。


迷って悩んで結局、わからなかった。


「っていうかもう、何がなんだかわからないんだ……」


ダメだ、このままだと声だけじゃなくて本当に涙が……

思いっきり上を向いて必死に食い止める。


「ねえ有紗ちゃん。私と初めて会った時のこと覚えてる?」


と花那ちゃんが私に向かってにっこり笑顔を浮かべてる。
突然の言葉に思わず、涙が引っ込む。


「え、」


確か、クラス違ったけど出会ったのは高1だったよね?

そんな前のことは……



「覚えてるに決まってるじゃんっ」


あの時の花那ちゃん忘れるなんて、私が記憶喪失にならない限りはあり得ないね!

< 282 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop