ほんとのキミを、おしえてよ。

柊side



時間を戻せるなら、戻したい。

学校が終わって速攻で帰ってまずしたことといえば、鞄を放置してリビングのソファーに身を投げた。


仰向けになって、どうしたらいいかわからず腕で顔を覆う。

ソファーの肘掛けに頭を強めにぶつけた音がしたけど、そんなこと今はどうだって良い。


「なんであんなこと……」


口を開けば出てくるのは後悔する言葉ばかりで、何もしていないとよみがえるのは昨日の記憶。


今日一日中考えないようにしてたけど、一人になった今はすることもなくどうしようもない。

ため息なんか昨日今日で数えきれないほどついた。ひどい時は3分に一回ペースで。


「はあ……」


中学から一緒だった晴と、あと数人しか知らないようなこと。

全て知ってんのなんて晴だけだし、花那にだって、このことは言ってない。


呪いみたいにこびりついてたあの言葉はもう二度と口にしないって、決めてた。


一生、俺の心の中にしまっておくって決めてたんだ。

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