ほんとのキミを、おしえてよ。


中村さんからしたら、いきなり過去のこと話されてこいつなんなんだって気分だったよな。

絶対、ドン引きだよな。



ショッピングモールで話すような内容じゃない。重い話に中村さんを付き合わせてしまった。


気分悪いよな、あんな話。
少なくとも聞いていて楽しい話じゃない。

いくら亜美に会って動揺したからっていっても、あそこで話すべきじゃなかった。


なんで俺は止まんなかったんだよ。

自分は話せて楽になるかもしれないけど、中村さんにとったら辛い気分にさせるだけだろ?


そんなことにも気づかなかったってどうかしてる。


優しい中村さんに甘えてしまった。


女々しい、なんてことわかってる。

男だったらシャキッとせい!って中村さんだったら言うかと思った。


けど、何も言わなかったのはきっと……


言葉が見つからないほど呆れられた、か。
もしくは哀れみか。



どっちにしろ中村さんにそう思われんのは、いやだ。

かわいそうだとか、同情して欲しいんじゃない。


だったら俺は何で言った?
何を中村さんにどう思って欲しかったんだ?

言わなければこんなに悩む必要だってなかったはずだ、くそ。


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