ほんとのキミを、おしえてよ。


そんなん、ずっと前から知ってるよ。

でも、その言葉が浮かぶ度頭を掠める度消してきたんだ。

また、同じ失敗するんじゃないかって。
怖かったんだ。


けど、それじゃダメだ。
かき消さないほどに、その存在はどんどん大きなものになっている。


「俺……」


全然わかってねーのはどっちだ、聞く耳持たないのは美羽じゃねーよ。俺の方だろ?


さっきから、晴の言葉が腑に落ちなかったのはもう、自分の中で答えが出てるからだろ?



顔を上げて、二人を見た。


すると、晴が真面目な顔して携帯の画面を見せてきた。


「花那から連絡あった。有紗ちゃん、西高に行ったんだって。この意味がわかんねーほど柊はバカじゃないよな?」


「な、かむらさんが!」


思わず立ち上がった。


だーっもう!

本当に中村さんはいつもいつも斜め上の行動を……!

どうしたらそんなに次々考えが浮かぶんだよ。

西高なんて、そんなの亜美に会う以外の目的ないよな。


俺のせいだ、完璧に。
これ以上、好きにさせてやるか。

< 313 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop