ほんとのキミを、おしえてよ。
そんなん、ずっと前から知ってるよ。
でも、その言葉が浮かぶ度頭を掠める度消してきたんだ。
また、同じ失敗するんじゃないかって。
怖かったんだ。
けど、それじゃダメだ。
かき消さないほどに、その存在はどんどん大きなものになっている。
「俺……」
全然わかってねーのはどっちだ、聞く耳持たないのは美羽じゃねーよ。俺の方だろ?
さっきから、晴の言葉が腑に落ちなかったのはもう、自分の中で答えが出てるからだろ?
顔を上げて、二人を見た。
すると、晴が真面目な顔して携帯の画面を見せてきた。
「花那から連絡あった。有紗ちゃん、西高に行ったんだって。この意味がわかんねーほど柊はバカじゃないよな?」
「な、かむらさんが!」
思わず立ち上がった。
だーっもう!
本当に中村さんはいつもいつも斜め上の行動を……!
どうしたらそんなに次々考えが浮かぶんだよ。
西高なんて、そんなの亜美に会う以外の目的ないよな。
俺のせいだ、完璧に。
これ以上、好きにさせてやるか。