ほんとのキミを、おしえてよ。


「俺はこの学校の生徒会長で」


「わかりました、生徒会長さん。私を拉致する気ですね!?そうはいきませんよ!」


最後まで言わせてたまるか!という謎の対抗心にかられ、思わず遮ってしまった。


「私には正義の味方、防犯ブザーがあるんですから!」


それから水戸黄門の助さんばりの勢いで『これが目に入らぬか!』と防犯ブザーを見せつけた。


っていうかうちの学校、こんなのが生徒会長じゃなくて良かった。

規則規則!とかいって、高校生活の楽しさ半減させてるよ絶対。

学園祭とかほとんどの企画通らなそうだし。


「何バカげたこといってんだ、きみは。ほら学校に連絡するぞ。元々そっちが不法進入してきたんだろ?正義はこっちにあるはずだぞ。ほらついてこい」


掴まれた腕を懸命に解こうと、腕をブンブンと振りまくる。



「嫌です!私にはやらなきゃならないことが!!」


「あれ?」


必死でどうにか逃げようとしていると、突然どこかで聞いたような声が耳を掠めた。

甲高くて甘い感じの……あ!


声のする方に顔を向ける。

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