ほんとのキミを、おしえてよ。


「あはっ、あはは!ふ、ふっ、あはは!」


「亜美、さん?」


ウケた、わけじゃないよね。
わかってもらえた、訳でもないよね。

多分この笑い方は……


「ねえ、有紗ちゃんってバカじゃないの?亜美に全部包み隠さず目的まで言っちゃって、そんな事言われて亜美が後悔するわけないじゃん」


やっぱり良い笑いではなかったか。

今度は亜美さんに詰め寄られ、人差し指でクイっとあごを刺された。

私をバカにしてる瞳に見上げられて良い気分はしない。


「っていうかそれ以前に、勝率ないのにいきなり私の学校に乗り込んでくる時点で結構なバカだよね」


ふふん、と挑発的な笑顔。

なんか、こんだけバカバカ言われるとなんかムッとするな。

いや別にバカを否定するつもりないけど……バカだとはよく言われるし、特に真紀にはしょっちゅうね。

でもいつも以上に、こんなにムカっとするのは、


相手が亜美さんだからなのかな?


ってまあ、ここでイライラしてても良いことないか。

ここはひとまず落ち着いて、亜美さんに言われたことはスルーしましょう。


息を吸って深呼吸をする。

私の中の数少ない冷静さを失ったら、それこそまずい。

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