ほんとのキミを、おしえてよ。



「下心なんて、あるに決まってるじゃん!!」


ああ、言っちゃった。

ずるくてずるくて嫌になる。


でも、止まらない止められない。


「ちょっとでも、五十嵐くんに見て欲しいよ。好感度上がるかなって思ってるに決まってるじゃん!」


五十嵐くんが息を呑んだ。
もうこうなったら言うだけ言ってやるんだから!思ってること全部言い切ってやる!

醜くても、ずるくてもこれが私なんだから隠しようがない。


「五十嵐くんが亜美さんのこと吹っ切れて、好きになってもらえたらいいなって思ったりするよ!だってだって、好きだもん!私五十嵐くんがす」


これ以上、言えなかった。


甘く溶かされる、のみ込まれた五十嵐くんの唇に。

あまりに唐突すぎて目を閉じる隙もないほど一瞬で。

考えてたこと全部消えて真っさらになる。

< 339 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop