ほんとのキミを、おしえてよ。
私が混乱してる中、五十嵐くんの温かい手が私の頰に触れた。
五十嵐くんの優しい瞳にこんな近距離で見られると、私もう……だめだ。
何も考えられなくなる。
っていうか余計なこと、考えたくない。
「だからさ、俺のことだけ考えてよ?」
そう言って、不敵に笑ってみせる。
目は逸らさずに、頷いたのを合図に五十嵐くんの顔が近づいてくる。
もう一度、惹かれあって甘く、溶けていく。
今度は目を閉じた。
さっきよりも長く、優しくとろけてしまうほどに、甘い。
もう、何も考えられない真っさらだ、けどそれでもいいや。
だって、私も五十嵐くんが好きだから。
それ以外、何もいらない。