ほんとのキミを、おしえてよ。
ノートはとっておきましょう。
放課後。
五十嵐くんと待ち合わせ。
みんなから大人気な五十嵐くんは今日も相変わらず忙しそう。
私と五十嵐くんの関係はみんなには言ってない。
だから、あまりいつもと変わったところはないかな?
ほら、ファンクラブの皆様に見つかったらやばいからね。
一人で納得しつつ私は教室に一人、ある物を取り出した。
自然と口元が緩む。
捨てようと思ったけど、やっぱり捨てられなかったノート。
『王子様の弱点ノート』
これを作ったころは、まさかこんなことになるだろうとは夢にも思わなかったな。
捨てなくて、良かった。
たくさんたくさん五十嵐くんのこと、書いてあるんだもん。
これのおかげで気づけたわけだし、捨てるなんてそんなひどいこと出来ないわ、と調子良いことばかり思ってる。
昨日と言ってること正反対なのには、目を瞑りましょう。
亜美さんとのことを書いて、昨日のことも書いてぴったり終わるかと思いきやラスト一ページだけ残ってしまった。
こうなると意地でも一ページ書いてから終わらせたい!どう思うのが私。