ほんとのキミを、おしえてよ。


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中村 有紗

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「って、私!?」



えと、それは……どういうことだ?

五十嵐くんはいつもの爽やか笑顔を浮かべてる。


私が、五十嵐くんの弱点?ってことはもしかして。


「それはつまり私を好きになったことが五十嵐くんの弱点で……女の趣味が悪いってことですか?」


そんなはっきり書かれるとさすがにショックを受けるんですけども。


「っふ、はは、そんなわけないだろ?」


「なんだ、違うのか……」


ほっと一安心。
付き合ってその次の日に振られるなんてそんなの嫌だよ。


「俺、中村さんがなにかする度焦って戸惑って緊張して落ち着かなくてこそばゆくて嬉しくて大切にしたくなって、いろんな感情が入り混じって自分が自分じゃくなるんだよ」


そんな嬉しいこと真っ直ぐ見つめて言われたら、私ドキドキしてどうしたらいいかわからなくなる。


「多分俺、中村さんに何かされたり手出されるのが一番堪える。だから、中村さんが弱点」


だからさ、と言うと五十嵐くんが私の耳元に口を近づけた。
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