ほんとのキミを、おしえてよ。

残念だったな、五十嵐くん!

と、いつものシャーペンを持って


「あ、今日は五十嵐は風邪で休みだそうだ」


慌てて、手をとめる。

休み!?

遅刻でもなんでもなく、風邪で休み?


「「ええ!!?」」


ガタッと席を立つ。

私の声が、他の女の子と重なって大きくなる。

周りを見渡せば席を立ったのは4、5人ほどだった。


「今日も、五十嵐は大人気だな〜」


大人気だな〜って先生!そんな


「先生、呑気なこと言わないでください!」


おお、私の心の声!


と、思ったらその声の主は私の左斜め前に座っている、真紀のものだった。


< 43 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop