ほんとのキミを、おしえてよ。
「真紀って、五十嵐くんのこと本当好きだよね〜」
座った直後、HRを続ける先生にはお構い無しに私は小声で真紀に話しかける。
「そりゃあもう!」
真顔で力強く答える真紀。
即答ですな。
「どこがそんなに好きなの?」
私がそう聞くと、真紀は腕を組んで首を捻る。
これには即答しないんだね。
「んー、好きって言ってもあれだよ?
恋愛感情の好きじゃなくて、眺めてるのが好きっていうか〜。どちらかといえばアイドルに憧れてるって感じの方だよね!」
そ、そうなの!?アイドルとか、そっちか!
てっきり恋愛感情の好きだと思ってのに。
予想とは反した真紀の答えに、ついつい驚いてしまう。