ほんとのキミを、おしえてよ。


すると花那ちゃんは困ったように眉毛を下げる。


「有紗ちゃん、ごめんね。
なんかね、柊くんって昔から何をやっても完璧だったの。

リレーのアンカーもやってたし小学校の生徒会長みたいなのもやってて、友達同士のケンカも解決して、合唱会では指揮者だったな……

あ、幼稚園のとき砂場で遊んでるときもみんなは砂だらけなのに柊くんだけはすっごく綺麗だった!」


指を一本一本折りながら数える花那ちゃんは天使……

じゃなくて!いや、天使なのは天使なんだけど……

あー違う!今は言ってるそんな場合じゃなくて!


あの……五十嵐くん、完璧過ぎやしませんか?

そんな幼稚園児聞いたことありませんけど!逆に心配だわ!


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