ほんとのキミを、おしえてよ。



「ねえ、あんさんや。うちにもそれ一組作ってくれないかね?」


と、今度は60歳くらいのおばあちゃんの頼み事。


私の特技が役に立つならこれほど嬉しいことはない。


「あ、いいで……」


いいですよ、そう言おうとして


「うちにも一組ください!」

「あら、じゃあうちもお願いしようかしら?」

「うちにも頼むよっ!」


次々に飛んでくる言葉に遮られる。


ここにいるほとんどのひとがはい!はい!っと手を挙げて私にアピールしてくる。


え、ちょ!収集つかない!

さっきよりもなぜか人増えてるし!!

こんなたくさんの人たち一人一人に作ってたら私帰るの相当遅くなるじゃん!

あまりに遅いと私が母様にしごかれるんだよ!

ちょ、どうしよう?


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